頚椎症は冬の寒い日に悪化しやすいですが、夏でも油断は禁物です。冷房の効いた場所で冷えに悩まされる人が多く、特に頚椎症の人は脊髄や神経根が圧迫されやすくなり注意が必要です。体が冷えると筋肉が硬直して、脊柱管や椎間孔が狭まってしまいます。また、血流が悪くなると新陳代謝も衰えて、痛みやしびれが悪化する人もいます。
そこで入浴がおすすめなのですが、特におすすめなのが麦飯石入浴です。
麦飯石とは、火成岩の一種が風化・変質したもので、表面に現れた決勝が麦飯(むぎめし)に似た模様になっています。子の麦飯石を細かく砕いて、成分をお湯に溶け出しやすくした入浴剤に、体を温めたり神経痛を改善したりする働きがあることが分かり、注目を集めています。
麦飯石には、鉄分やマグネシウムなど40種類ものミネラルが豊富に含まれ、これらが水の中でイオン化(電気を帯びた分子や原子になること)して、細胞膜から吸収されることで、細胞の働きを活発にして血流を促すと考えられます。
また、末梢の血管も拡張して、全身の血流が良くなるようです。そのため、保温作用が長く続き、冷えて硬くなっていた筋肉がほぐれていきます。新陳代謝も促すと考えられており、疲労物質が速やかに排出されれば、末梢神経の痛みも取り除かれるはずです。
このほかにも、神経痛やリウマチの痛みの軽減、肌荒れ解消、疲労回復などの効果が認められており、1974年に厚生省(現在の厚生労働省)より医薬部外品の認可を受けました。
頚椎症による首・肩の痛みやコリに悩んでいる人は、ぜひ麦飯石入浴を試してみてください。