いつまでも輝ける命のダイヤモンド「麦飯石」
麦飯石は、古くから漢方薬として使用され、
明代の李時珍が編さんした「本草網目」にもその薬効が記されています。
麦飯石は石英斑岩の一種で、特殊な風化作用を受けています。
見た目が麦飯に似ていることから「麦飯石」と呼ばれ、
多孔質構造がミネラルの溶出や吸着作用に関係しています。
国内では岐阜県加茂郡白川町黒川が唯一の産地です。
岐阜県の約3分の1を占める飛騨流紋岩は、
約5000万〜7000万年前に誕生したと言われています。
日本列島は約2300万年前までアジア大陸の一部でしたが、
その後の大きな割れ目が日本海となり、大陸から分離しました。
そのため、古い時代の花崗岩はプレートの移動により
他の地域から運ばれてきたものです。
日本列島には多くの花崗岩が見られますが、
麦飯石のように自然の炭酸化作用を受けているものはほとんどありません。
岐阜県では、茶色の部分に濃飛流紋岩が、
赤色の部分に火成岩・石英斑岩・花崗岩が分布しています。
特に、麦飯石層が飛騨流紋岩を貫いて
形成されていることが大きな特徴です。